病気のにおいをかぎ分けることはできるのでしょうか?

体臭による病気の判断

糖尿病の人の尿からは甘いにおいがする、ということを聞いたことはありませんか?

または実際に体験したこともありませんか?

糖尿病だけではなく、その病気特有のにおいがする場合があります。

医師はこれらの患者の体臭や口臭、排出される便や尿のにおいも、診断の要素として考えています。

では、なぜ病気になるとにおいがするのかについては、病気にかかってその代謝の異常が引き起こされると、いつもとは違うにおいが発生し、血流に乗って汗や尿などの形で体外に排出されるからと考えられます。

昔から知られていた病気のにおい

病気とにおいの密接な関係は昔から言われていて、中世ヨーロッパで黒死病(ペスト)が流行った時に、イギリスの哲学者フランシス・ベーコンは、「黒死病は、柔らかいリンゴのにおいのようだ」と書き残しています。

その他に、「痛風患者は、特徴的な汗のにおいがする」、「壊血病患者の汗には、腐敗臭がある」、「腸チフス患者は、焼きたてのパンのようなにおいがする。」等々。

また、「統合失調症の患者は、汗にトランス-3-メチル-2へキセン酸が含まれるため、においで判断ができるそうです。

失語症で喚覚が異常に鋭くなった人は、自分に敵意を持つ人がにおいでわかるらしいなど、多くのにおいと疾病との関係が証明されています。

体臭ではなく口臭でも病気のサインがわかります。

こうした疾病のにおいのサインは、体臭だけではなく、口臭にも表れます。

胃腸の機能が鈍ると食べた物が胃腸に長時間留まり、異常発酵となります。

そこで発生したにおい物質が腸管から血管に吸収されて、肺から呼気となって出てきます。

卵の腐ったようなにおいです。

ほかにも腸の働きが低下したり、何かの疾患があったりする場合は、腸内で悪玉菌が増加し、におい物質が発生します。

口臭が強くて食欲が落ちている、胃が重い、痛い、疲れやすい、体がだるい、睡眠不足が続き体調がよくない、などの症状に心当たりがある場合は、一度内科で診てもらうことをおすすめします。

肝機能の異常について

肝機能の衰えによってもにおいが発生します。

肝機能が正常だと、におい物質は分解されます。

ところが、慢性肝炎などで肝機能が衰えてくると、分解しきれません。

そうすると、そのにおい物質が血液に乗って全身をめぐり、口臭や体臭となって現れます。

この、肝臓に問題がある場合の口臭は、別名「ネズミ臭」ともいわれます。

口の中が苦くなるのが特徴的で、さらに重症になると、カビくさいにおいや、卵の腐ったにおいとニンニクが混じったようなにおいがすると言われています。

疾病による体臭の変化

・糖尿病性ケトージス:汗と呼気に腐ったリンゴのようなににおい

・痛風:特徴的な汗のにおい腸チフス:焼きたてのパンのような体臭

・ジフテリア:甘いような体臭

・天然痘:独特の悪臭で有名

・壊血病:汗に腐敗臭頚部リンパ

・節結核:古いビールのにおい

・黄熱病:肉屋のニオイのような体臭

・統合失調症:ランス0-3-メチル2ヘキセン酸が汗中で増加することにより、刺激的な体 臭を放つ。

・フェニルケトン尿症:かびくさい。古く、汗まみれのロッカールームのタオルルのようなにおい

・分岐鎖アミノ酸(パリン、ロイシン、イソロシン)の代謝不能:メープルシロップやカラメ ルのニオイが汗や尿中に香(メープルシロップ症)

・メチオニン代謝不能:呼気、汗、尿にゆでたキャベツのにおい

・尿中高アミノ酸血症:ホップやモルトのにおい(ホップ乾燥釜症候群)

・低級脂肪酸(酪酸など)代謝不能:汗かき脚症候群のにおい

腎臓機能が低下して発生するにおい

尿毒症腎機能が低下すると、アンモニア臭がします。

これは体の代謝に異常が生じ、代謝の産物がにおいとなって現れます。

また糖尿病だと、甘酸っぱい体臭のみではなく、唾液が不足して口が乾くので、口の中の食べ物のかすや歯垢が細菌によって分解されて、腐敗、発酵臭が漂います。

呼吸器系の病気

呼吸器系の病気肺炎や気管支炎などの呼吸器系の病気や、アレルギー性鼻炎、蓄膿症、肩桃炎など、鼻やのどに炎症を起こすことで口臭がきつくなります。

これは、炎症を起こした部分の皮層組織がただれたり、化膿したりした結果、菌が増殖するためです。

血が腐ったような、生臭いような、特殊な臭気を放ちます。

ほかにもまだ、色々な病気のにおいがあります。

ただこれらの場合、病状が進行してからでないとにおいを感知できないので、診断のきっかけにするにはまだ難しいのが現状です。

しかし、現場では、医師らは、このような繊細な病気のにおいを哩ぎ取って治療にあたっています。

「症状が悪化したかどうかにおいでわかる」名医や、開腹したとたんに「がんの臭気がする」などと、がんの手術をしている外科の医師らは体感しているようです。

においによる病気の判定は、発展途上です。

現時点では、においで病気を判断する方法は、まだ確立されていません。

しかし1つだけ「ピロリ菌の有無を呼気で診断する」方法があります。

これは尿素を飲んで20分ほどしたら、風船をふくらませて、その呼気を調べます。

この中に炭素13という化学物質が含まれていれば、ピロリ菌がいることがわかります。

とても簡単ですね。

ピロリ菌が尿素を分解するときに副産物として炭素13を出すのです。

この検査方法だと、患者の体や経済的にも負担がありません。

すでに医療機関に導入されていて、患者の負担が少ないこの検査方法が、ほかの病気の診断にも将来的に応用できるようになることが期待できますね。

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