腸の不調や大腸がんの予防に大腸内視鏡検査が有効な理由

大腸内視鏡検査とその他の大腸検査の方法

便秘や下痢、腹痛といった消化器の不調の原因には、がんなどの病気によって起こる「器質性」のものと、特に原因のない「機能性」のものとがあります。

これはり、自覚症状だけでは何の病気かわからないことが多いので、不調があったら、病気が無いかどうかの検査を受けることがとても大事になります。

検査をうけるかどうかによって、命にかかわることがわかることもあります。

大腸内視鏡検査以外の検査

①便潜血検査
②バリウム検査(注腸X線検査)
③CTコロノグラフィー検査

便潜血検査

これは、厚生労働省が推奨する大腸がん検診の方法としてよく知られています。

この検査は、専用の容器に少量の便を入れて提出し、便の中に血液が混じっていないかを調べる検査です。

がんやポリープなどの影響で、消化管から出血があると、便の中に血液が混じります。

大量の出血があると、便の色が赤くなったり、黒いタール便となったりするので、自分でもはっきりとわかります。

しかし、少量の血液ではわからないので、便潜血の検査で肉眼ではわからないごくわずかな血液を検出するものです。

便潜血検査で陽性反応が出た場合、大腸がんや大腸ポリープの疑いが強くなり、第2段階の検査として、大腸内視鏡検査や注腸X線検査などが行われます。

そのような理由で、この検査は一般的に1年に1度受けることが企業などでは推奨されています。

しかし、この方法では、大腸がんの「疑い」を見つけることの検査であり、広く病気を見つけることのできる検査ではありません。

便潜血検査は、消化器からの出血を見つける検査なので、出血していない進行がんなどは、血液が含まれていない場合であれば、見逃されてしまうという欠点があります。

バリウム検査(注腸X線検査)

これは、からっぽにした腸の中に肛門からバリウム(造影剤)を注入し、空気を入れて膨らませ、レントゲンで撮影して異常を見つけるという検査です。

大腸内視鏡検査と同じように、下剤で便を出し切ってから検査を行います。

バリウムはX線を通さないので、大腸は白っぽい像として写ります。

大腸がんやポリープは、バリウムをはじく性質があるため、黒っぽい影となって見ることができます。

ただし、X線画像では、内視鏡のように腸の中を直接見るものではないので、腸の深い部分の病変や、10ミリ以下の小さな病変、凹凸のない病変は発見しにくいと言われています。

カプセル内視鏡検査

この検査は、内視鏡、LEDランプ、無線装置が内臓されたカプセルを口から飲み込み、画像を録画していくものです。

このカプセルが小腸を通過しながら画像を撮影し、腹部に装着したでーたレコーダーで無線で転送します。

カプセルが小腸を通過し、撮影が終わるとデータレコーダーを取り外し、コンピューターで画像処理して、専門医師が診断します。

カプセルを朝飲んで8時間後にデータレコーダーを取り外すまで、仕事や家事をすることが可能です。

検査終了後から数時間後には、水分や軽い食事をとることもできます。

このカプセル内視鏡の優れている点は、これまで困難で「暗黒の臓器」と言われていた小腸の病気を発見できる可能性が広がりました。

狭く曲がりくねっているうえに、4~5mと長い小腸には、大腸内視鏡のような挿入型の検査器具を入れることが難しかったからです。

ただし、現時点で日本では、小腸の撮影に限定して検査が認められています。

今後重要な検査の一つになると思われます。

CTコロノグラフィー(CTC)検査

CTコロノグラフィーは、マルチスライスCTと言われ、大腸の輪切り像を高速で撮影し、コンピュータでデータ処理することで、大腸の立体画像を得ることのできる装置です。

欧米では、大腸がん検診の方法として普及しつつあります。

日本では、現在、高齢だったり、心臓や肺に病気があるなどで大腸内視鏡検査が困難な方や、腸の癒着などによって腸の曲がりが著しく、大腸内視鏡の挿入にリスクが伴うと判断される方に行われています。

検査の方法は、空っぽにした腸の中へ、肛門から炭酸ガスを注入した上でCT撮影を行います。

苦痛はほとんどなく、撮影は10分前後で終了します。

その後、画像処理を行って、実際の内視鏡でのぞいているような画像や、大腸を切り開いた画像などを立体的に再構成します。

大腸の中を直接見ることができる内視鏡検査

大腸内視鏡検査は、現在、大腸の中そのものを実際に見ることができる唯一の手段です。

腸の健康状態を、直接カメラで検査することができます。

内視鏡の太さは11~13ミリ、長さは1.4mほどの柔らかいチューブ状の器具の先端に超小型の高性能カメラ(電子スコープ)がついています。

これを肛門から、下剤であらかじめ空っぽにした大腸の中(小腸の一部まで)に挿入します。

この超小型の高性能カメラで撮影した腸内の画像は、テレビモニターに送られます。

医師は、モニター画像を見ながら病変が無いか、細かく観察していきます。

大腸内視鏡検査の優れている点は、次の4項目と言われています。

1 直接、病変を確認することができる。

大腸の中を直接見ることができるのが、内視鏡検査の大きな特徴の一つです。

便潜血検査では、陽性であっても、すぐに何らかの病気であると判断することはできません。

また、注腸X線検査では、異常が見つからなかったとしても、それが本当に異常なのか、空気の泡や便の残りであるかの区別がつきにくいことがあります。

内視鏡検査でが直接見ることで、判断に困ることがきわめて少ないというメリットがあります。

2 必要に応じて細胞の一部を採取して検査するこもができる。

検査の最中に大腸がんやポリープ、その他の病変が見つかったとしても、細胞組織の一部を採取して検査することも可能です。

便潜血検査や注腸X線検査の場合、あらためて精密検査として内視鏡検査を行って、細胞組織の採取をしなければなりませんが、内視鏡検査ならそれを同時に行うことができます。

3 検査時に大腸や直腸の治療が一部できる。

検査中に見つかった早期がん、小さながん、ポリープであれば、その場で根こそぎ取ってしまうこともできます。

ですから、あらためて処置をする必要がありません。

これは、診断から治療までが一元的に実施できると言うことです。

4 便通が良くなることがある。

大腸内視鏡検査の前には、溜まっていた便を下剤で排泄します。

その結果、大腸全体が刺激され、今まで以上に腸の動きが良くなってきます。

その結果、便秘気味だった人の便通が改善され、便通が良くなったケースが多いという結果がでています。

今すぐ内視鏡検査を受けたほうがいい人

一度は内視鏡検査を受けたほうがいい人は、次に該当する方達です。

40歳以上になった人

大腸がんや大腸ポリープは、40歳代に入ると急激に増加するという検査結果があります。

40歳代では、早期がん、進行がんの発見率が約3%と言われています。

がんの発見率は、50歳代、60歳代と、歳を取るにつれて増えていきますが、40歳代はすでに危険年齢と言えます。

40歳になって一度検査を受けて、見逃しを避けるため、1年後にもう一度検査を受け、その後は医師の意見にもよりますが、3年ぐらいの間隔をあけても大丈夫だと言われています。

その理由は、新たなポリープができるまでには、約3年ぐらいの期間が必要と言われているからです。

しかし、何らかの症状が出た場合は、年数にこだわらず、速やかに受診することが必要です。

よく便秘になることがあり、最近は便秘が続いている。

便秘には、明らかな原因のない機能性便秘と、大腸がんなどの病気が原因で起こる器質性便秘があります。

大腸内視鏡によって、速やかに原因を探ることが大切です。

大腸がんが見つからなくても、下剤の使い過ぎで起こる大腸メラノーシスや他の病気が見つかることもあります。

近頃、なぜか下痢が多くなってきた。

下痢の原因にいろいろあります。

大腸がんや炎症性腸疾患などの深刻な病気が潜んでいる場合から、食事やストレスによる機能性下痢又は過敏性腸症候群の場合もあります。

過敏性腸症候群の診断では、ほかの病気を除外することが重要で、大腸内視鏡検査は重要です。

下痢と便秘を繰り返している。

この症状は、過敏性腸症候群にも現れますが、大腸がんの可能性も否定できません。

便が細くなり、太い便が出ない。

細い便とは、具体的には、鉛筆程度の太さと言われています。

これは大腸がんができやすいS状結腸のあたりが細くなると、排泄される便が普段より細くなります。

便が細くなった原因が、大腸がんや炎症によるものではないかどうか、確認が必要になります。

筆者も細い便が続いた経験があります。

特にお腹の痛みはありませんでしたが、気になってすぐに内視鏡検査を予約し、検査しました。

内視鏡検査の前に、腸付近の聴診検査をうけましたが、音は正常と言われました。

続いて内視鏡検査の結果は、過敏性の便秘という診断でした。

原因は、新しい職場に転勤した直後でしたので、ストレスの原因もあると医師には指摘されました。

その後、仕事にも慣れていくと、自然に便も普通になりました。

便が元に戻ってホッとした記憶があります。

このようにな場合もありますが、細い便が続くようであれば、思い切って受診することをおすすめします。

時々、お腹が痛くなる。

腹痛の原因は、大腸憩室、虚血性大腸炎、炎症性腸疾患、腸の癒着、過敏性腸症候群、そして進行した大腸がんなどがあります。

時々、又は頻繁にお腹が痛くなる場合は、大腸内視鏡検査を受けたほうがいいと思われます。

よくお腹が張る感じがする、突っ張る感じがする。

お腹が張る症状とは、腸の中にガスが溜まっていることです。

慢性便秘や無意識に空気を飲み込んでしまう呑気症の方人が多い症状です。

ただし、大腸がんが進行して腸の中でガスが通りにくくなっている場合にも、このような症状が出ることがあります。

血便が出る又は便に血が付いている。

血便は、肛門や直腸、S状結腸など大腸の下部からの出血を含んだ、赤く、血の混じった便です。

これは、大腸の腸壁のがん細胞が便が通過する時に切れてしまって、便に血が付いてしまうからです。

がん細胞の表面は、比較的薄くて弱いのでこのような目印ができます。

その他、血便の原因として最も多いのは痔症です。

しかし、大腸ポリープ、大腸憩室、大腸がんが原因のこともあります。

血便などが続くようであれば、大腸内視鏡検査は必要ですね。

便潜血検査で1回以上陽性が指摘された。

便潜血検査は、ふるい分け(スクリーニング)検査の一種です。

この検査だけでは、何の病気かは、特定できません。

1回でも陽性と出た場合、必ず大腸内視鏡検査を受けましょう。

管理人も、毎年胃カメラをしていますが、先生に毎年1回は大腸検査が必要か訪ねたところ、まず会社で行う便潜血検査で陽性なら、すぐ来なさいと言われました。

便潜血検査での異常を、無視するのは危険ということですね。

健康診断で貧血と診断された場合

貧血は、血液中のヘモグロビン量が少なくなる症状が貧血です。

原因不明の貧血や、鉄剤を補給しても貧血がよくならない場合、消化器の病変から出血している可能性もあります。

検査で貧血と出たら、自覚症状がなくても、内視鏡検査を受けることをおすすめします。

3親等以内の血縁者に大腸がんの人がいる方

がんには、遺伝する傾向の弱いがんと遺伝する傾向が強いがんがあることがわかっています。

その中でも大腸がんやポリープには、遺伝性が強いものがあることがわかってきました。

3親等以内の血縁者に大腸がんになった人がいる場合には、早めに大腸内視鏡検査を受けておくことが、病気の予防につながります。

まとめ

大腸内視鏡検査を受けたほうがいい人をまとめると、次のようになります。

・男女を問わず、40歳以上になった方
・よく便秘になったり、最近便秘が多いなと感じている方
・最近、下痢が多くなったと感じている方
・下痢と便秘を繰り返すようになった方
・時々、お腹が痛むようになった方
・よくお腹が張る感じがする、突っ張る感じがする方
・血便が出る又は便に血が付いている方
・便潜血検査で1回以上陽性が指摘された方
・健康診断で貧血と診断された方
・3親等以内の血縁者に大腸がんの人がいる方

初めて大腸内視鏡検査を受ける時は、怖いものがありますが、一度経験すると大腸が綺麗になっていくのがわかるので、気持ちがいいです。

管理人も経験がありますが腸内がすっきりすると、気分まですっきりします。

大腸がんやくさい臭いの元となる大腸の健康に、大腸内視鏡検査はひじょうに有効です。

そうは言っても「時間が無い!」、「やっぱり怖い!」と言われる方は、自分でできる「検査キット」もありますよ。

自分の体は、自分が一番よく知っています。

健康は何物にも代えることはできません。

ぜひ、お試し下さい!!

>>検査キットを使って自分でできる大腸検査

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする