体臭は遺伝するのでしょうか?遺伝するとすればその根拠は何?

多汗症の原因となるアポクリン腺の特徴

多汗症は遺伝します。

体臭のもととなるアポクリン腺も、その数は遺伝すると言われています。

また耳垢がウェットタイプだとアポクリン腺が多かったり分泌物の代謝活動が活発で、ワキガ体臭の可能性が高いという相関関係があります。

ドライなアジア人系は体臭も控えめで、ウェットな欧米・黒人系は体臭が強いというものです。

耳垢がウェットとドライに関係なく、欧米人の体臭が強いのは、このアポクリン腺の分泌が大変活発に活動していることと、その分泌物や皮脂などのもとになる、肉などの脂肪酸の日常的な摂取に起因しています。

食べ物による体臭への影響

体臭に大きく関わるのは食べ物です。

遺伝的な要因だけではなく、環境という後天的な要因により体臭が変わってくることもあります。

食事内容のコントロールと衛生面に配慮することで、ある程度まで体臭を少なくすることが可能です。

最初に食べ物の噌好は、遺伝というよりも食習慣によるものです。

日本人の体臭が年々強くなっているとすれば、食の欧米化に原因があります。

家族は同じものを食べているのですから、その食に由来する体臭も、似たようなニオイになっていきます。

健康のためにニンニクを常食としている家族達からはニンニク臭がするようになります。

肉食が多い家庭では、遺伝とは関係なく、皮脂腺からにじみでる脂肪酸(酸化しやすい飽和脂肪酸)の量が多くなり、総じて体臭がきつくなる可能性は否定できません。

こうした環境の中で体臭を気にされている方は、試しに家族みんなが肉食のなかで、魚(酸化しにくい不飽和脂肪酸)や大豆にタンパク質を求める食生活に変えてみると変化が出てくると考えられます。

劇的というわけではありませんが、徐々に変化を感じられるはずです。

遺伝する多汗症と能動汗腺

遺伝する多汗症と環境に変化する能動汗腺についてです。

どちらもエクリン腺に関わっています。

アポクリン腺や皮脂腺由来の体臭を拡散する役割をもつエクリン腺からの汗です。

皮膚表面で体温調節に活躍しているエクリン腺数が、多いまたは活発であれば「多汗症」です。

これは、親が多汗症だとメンデルの法則どおりに遺伝が発生するようです。

両親が多汗症だと、4分の3の確立で多汗症になるというわけです。

そして、エクリン腺の能動汗腺の数を決める環境下に幼少時にいたかどうか。

3歳頃までに冷房のある家で過ごしたかどうかで、その数が変わってきます。

一般的に日本人の能動汗腺の数は、約230万個といわれています。

これは東南アジアのフイリピン人の280万個と比較するとかなり少なく、北方のロシア人の180万個と比較すると、かなり多く感じられます。

この能動汗腺の数は、汗をかかない冷房環境下にあると働かなくなってしまうこと。

また、生後2~3年の間に暑い国でも冷房の効いた状況下で育つと能動汗腺数自体が増加せず、寒冷地の欧米人なみにその数が少なくなってしまいます。

このため、冷房が普及した1970年以降に生まれた人たちには、この働く汗腺の数が少なくなっているということが指摘されています。

問題は、日本の夏に対応できず、汗腺数が引き起こす自律神経失調などの体調不良を起こしやすいことなどです。

体臭のメカニズムについての復習

アポクリン腺や皮脂腺から出た体臭の原因となるホルモン物質などの分泌物や皮脂が、皮膚表面の微生物で分解または酸化してにおい物質の元となります。

これらが、エクリン腺からしみ出た水分の多い汗の気化とともに、体のにおい成分が揮発してフワーッと空気中に広がります。

わかりやすく言うと、多汗症で、かつ耳垢がウェットで、アポクリン腺が多いまたは活発な遺伝子をもち、さらに肉食噌好の家系だと、体臭が発生する確率が高い状況になります。

ただ、多汗症の両親から生まれた子どもでも、2~3歳児まで冷房の効いた環境で過ごして能動汗腺数が低下した場合で、肉食を避けた状況下だと、この体臭が緩和され目立たなくなる可能性があります。

体質遺伝が弱まるということでしょうか。

しかし能動汗腺が少ないと、猛暑が年々厳しくなっている日本で夏を過ごす場合に、汗をかかない、もしくはかけないことから、重度の夏バテや生理不順、規律性調節障害(交感神経の働きが鈍るために生じる自律神経失調症)などを起こしてしまうことも指摘されています。

能動汗腺が少ない人がかく汗

能動汗腺が少ない人は、塩分濃度が高い、問題のあるどろどろ汗の割合が多いです。

加えて、こうした汗は気化せずに長く皮膚表面に残り、栄養分も多いことで、微生物に分解されたりして、ニオイの原因になるとされています。

さらに、能動汗腺が低下して、汗をかかない、または汗腺がふさがることは、皮膚表面上で行われる本来の汗の働きも妨げられてしまいます。

あせもが少なくなるというメリットはありますが、その一方で、気化による体温調節ができにくくなるため熱が中にこもり、熱中症の中でももっとも危険で死に至る場合もある熱射病のリスクが迫ると言われています。

通常の汗腺からの汗の働き

通常の汗腺からの汗には、体温調節とともに皮膚上を弱酸性にして、皮膚表面での細菌の活動を抑制する働きもあります。

能動汗腺の働きが低下することは、皮膚表面上の免疫活動の抑制を引き起こします。

そして、暴走した細菌たちによる狼籍はくせんが始まります。

黄色ブドウ球菌などの食中毒菌から、白癖病を始めとしたカビなど、ありとあらゆる全身の皮膚病その他疾病感染の危険性が高まることです。

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