大腸内視鏡検査の前に下剤をたくさん飲む理由などについて

大腸内視鏡検査の前の下剤の役目

大腸内視鏡検査を実施する前に必要なことは、腸管の中を空っぽにしなければいけません。

腸の中の便をきれいに取り去るために服用する下剤は、一般的にポリエチレングレコールという物質が主成分の、商品名「ニフレック」という液体タイプが主流です。

ニフレックは、心臓病や腎不全などの疾患の方にも使える効果的な薬です。

ただし、服用するためには、これに水を混ぜ合わせた2リットル前後の液体を飲んで、便が透明になるまで、何度もトイレに行かなくてはなりません。

この数回のトイレは、結構つらいものがあります。

そもそも大腸は、小腸の出口から直腸まで1.6メートルの長さがあります。

大腸がんは直腸やS状結腸といった、肛門に近い部位に集中していますが、もちろんそれ以外にもできてしまいます。

時には、虫垂(盲腸)にもがんができることがあります。

また、早期のがんやポリープは、ほんの数ミリという小さいものです。

炎症性腸疾患も、腸の粘膜のあらゆるところにできます。

つまり、大腸全体をくまなく見渡し、小さな病変も見落としのないようにするには、いかに便を下剤で流しきれるかがポイントになってきます。

せっかく病気を発見してもらおうと検査を受けても、便が残っていたために正確な検査ができないようであれば、検査の意味がありません。

このことをよく理解して、検査に望む必要がありますね。

その上で、通常の下剤が苦手な人には、苦痛を減らすいくつかの手段があります。

下剤の服用方法が選べる病院もあります。

下剤にも錠剤型の下剤があります。

これは、液体の下剤が苦手な方に向く方法です。

「ビジクリア」という錠剤を40~50錠、時間をかけて服用します。

ただし、錠剤とともに飲む水の量は、一般の下剤(腸管洗浄液)とほぼ同量です。

また、一度にたくさんの水分を飲むのが苦痛な人には、検査の前日に自宅で少量の下剤を服用し、検査当日の服用量を減らす方法もあります。

前日の夜にピスコルフアートナトリウム(商品名「ラキソベロン」)10ミリリットルを飲み、当日は、残りの分の下剤を服用するという方法もあります。

また、浣腸で残りの便を排出して終了ということもあります。

ラキソベロンは、大腸刺激性の下剤ですが、作用が比較的ゆるやかなので、検査前日の夜や当日にトイレに何回も行かなければいけないといった心配はありません。

これらの方法を実施している病院もあるので、検査を受ける前に病院に問い合わせてみる方がよいでしょう。

特に過去に大腸内視鏡検査を受けた方で、つらかった方は相談した方がよいですね。

「自宅で下剤を服用したい」というのは、最近の特に若い人に多いようです。

ある程度の年齢で、ほかに病気を持っている方は、「看護師さんのいるところで服用したい」と、来院して下剤を飲むことを希望する人もいるようです。

なお、下剤の問題を無くすために、より少量で十分に便を出し切れる下剤の開発が進められています。

検査でポリープが見つかった後の治療方法など。

大腸内視鏡検査では、がんなど疑わしい病変が見つかった場合、組織の一部を取り除いて、病理検査を行います。

これが、内視鏡の大きなメリットですね。

また、大腸内視鏡の専門医は、がん化の可能性があるポリープが見つかった場合、大腸がんの予防を目的に内視鏡によって切除を行います。

対象となるのは、5ミリ以上のポリープです。

逆に直径5ミリ以下であれば、がんになる心配はないと考えられていますので、一般的には切除はしません。

ただし、数は少ないもののがん化するものがあるので、1~3年後に経過観察をすることが重要です。

また、5ミリ以下のポリープでも、「残しておくのは心配だから」と患者自身が希望した場合は、切除をすることがあります。

反対に、年齢や体調の状況によっては、5ミリ以上のポリープでも経過観察をする場合もあります。

大腸内視鏡に熟練した医師であれば、ポリープのタイプやがん化のリスクについて、おおよその見当がつきます。

さらに普通の内視鏡より画像が大きく見える「拡大内視鏡」を使えば、ほぼ明確になります。

最近は、NBI(狭帯域光観察技術)もあり、内視鏡検査の時点で、こうしたポリープの情報もかなり細かく観察できるようになってきました。

がん化の可能性のあるポリープが見つかった場合、一般的には、「内視鏡検査の時に切除してしまう方法」、「あらためて別の日に切除する方法」の二つがあります。

大学病院など大きい施設では、ほとんどが別の日に切除を行うようです。

「できれば同時に取ってほしい」という方も多いと思いますが、ポリープの切除も手術の一種ですから、切除後7日くらいは激しい運動はできないし、アルコールも禁止です。

食事も腸に負担のないものをとらなければなりませんし、仕事や家事にも一部、制限があります。

どうしても同時を希望する時は、あらかじめの調整が必要ですね。

痛くない内視鏡検査の方法とは。

実際の大腸内視鏡検査の手順はどのような手順なのでしょうか。

事前にどのようなことが行われるのかを知っていると、不安もさらになくなります。

安全で痛みのない一人法を、具体的な検査の流れを調べてみました。

1 検査の予約をして説明を受ける。

大腸内視鏡検査は、どこの病院でも基本的に予約制です。

実際の検査を受ける前に、医師から問診や検査の説明があります。

この時、わからないことや不安なことがあったら、遠慮せずに聞きましよう。

管理人の場合は、問診、聴診、触診で「健康な腸みたいですね」と言われました。

問診や、聴診でもだいたいの所はわかるようですね。

なお、検査にかかる費用には健康保険が適用されますので、3割負担で通常、5,000~7,000円程度です(追加の検査や処置が必要な場合は、別途かかります)。

2 検査前日の夕食は9時までに済ませます。

検査前日の食事は夜9時までに済ませ、それ以後は禁止です。

水やお茶は飲んでもかまいませんが、牛乳やコーヒーは避けなければいけません。

食事は、うどんや魚など消化のよいもので、消化のよくない海藻類や野菜、時にきのこ類や山菜類、こんにやくなどは避けた方がいいです。

筆者の場合は、病院から食事キット(食パンやスープなどの軽食)が渡され、2日前からキット食だけを食べていました。

3 検査前日の夜(就寝前)に下剤を飲む

当日の腸内洗浄剤を減らす目的で、ラキソベロンなどの下剤を飲みます。

前日の下剤を飲まない施設もあります。

4 検査当日の朝は食事はとらない。

当日の朝は、食事はとらずに病院に行きます。

水、お茶は少量なら飲んでかまいませんが、水の方がいいと思います。

5 検査着に着替える

検査着に着替えます。

検査着は、肛門の部分に穴のあいているタイプになっています。

6 腸内洗浄用の下剤を飲む

腸内洗浄のために、下剤に水を加えた液体を飲み、排便をします。下剤は、飲むとすぐに便意を感じてきます。

7 便をすべて出し切る。

便がすべて出切るまで排便します。

固形便が消えて、淡黄色で透明な液状便となったら完了です。

透明になったら、看護師を呼んで確認する病院が多いようです。

病院によっては、この後、腸内がきれいになるまでぬるま湯で腸の中を洗う所もあります。

排便をくり返すことによって、悪心や吐き気、腹痛、腹部膨満感、ふらつき感、冷感、倦怠感けんたいかんなどがあらわれることがあります。

この場合は我慢しないで、主治医、看護師に相談しましょう。

筆者もお腹がぺこぺこな状態なうえに、脱水状態になっているので、ふらつきましした。

8 検査用ストレッチャーに横になる。

前処置が終わったら、検査が始まります。

検査用ストレッチャーに乗り、医師に背を向ける形で、左側が下になるように横向きの姿勢で横になります。

9 鎮痛剤。鎮静剤を注射する。

不安と苦痛を鎮めるため、鎮痛剤、鎮静剤を注射します。

鎮痛剤としては塩酸ペチジン、鎮静剤としてはジアゼパムやミダゾラムなどがよく使われているようです。

また、消化管の運動を抑制するブチルスコポラミンという薬剤を年齢、体重、全身状態により調整し、静脈注射により投与することもあるようです。

ただし、ブチルスコポラミンは、緑内障や心臓病、前立腺肥大がある場合は使えないことがあります。

そうした場合にはほかの薬剤を投与します。

数秒後には、意識が低下していきます。

なお、鎮痛剤・鎮静剤の投与では、まれに呼吸抑制という副作用が出ることがあります。

このため、内視鏡を検査する場合は呼吸の状態を観察する方法として、パルスオキシメータや心電図モニターという機器を装着します。

もちろん、医師は機器だけでなく、患者の胸や腹部に手を当てたり、爪や唇の色で強い呼吸抑制がないかも確認します。

強い呼吸抑制が出るようであれば、酸素投与や鎮痛剤・鎮静剤の働きを抑える薬を投与します。

なお、鎮痛剤・鎮静剤をまったく使わない施設、効き目の弱い薬を使う施設もあります。

筆者の場合は、鎮痛剤・鎮静剤は投与されませんでした。

10 内視鏡の挿入

体の左側を下にして横になり、意識が低下したところで(鎮痛剤・鎮静剤をまったく使わない施設、効き目の弱い薬を使う施設では異なります。)、肛門から内視鏡を挿入していきます。

まず最初に、内視鏡を大腸の一番奥の部分である盲腸まで到達させます。

熟練した医師であれば、問題なければ、約3分程度で盲腸まで到達します。

11 大腸の中を観察

ここから観察が始まります。

盲腸からスコープを抜くときに、モニターを見ながら、病変があるかないかをくまなく観察していきます。

観察の時間は、おおむね10分程度で終了します。

病変があった場合は、拡大して患部を観察し、病状をよく調べます。

必要に応じて、生検(患部の一部を切り取って、顕微鏡などで調べる検査)用に組織の一部を採取します。

12 検査終了

検査終了後は意識がはっきりするまで、回復室で休憩します。

約30分前後、目が覚めますが、完全に覚醒するまでには1~2時間の安静が必要です。

13 検査結果の説明を受ける。

目が覚めたら、医師から検査についての説明を受けます。

生検に出した組織がある場合は、後日再び来ていただいて結果を聞くという流れになります。

すべて終わって帰宅の許可が出ても、車の運転などは絶対してはいけません。

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