日本にしか存在しないにおいと、日本では嗅げないにおいって何?

日本独自のにおいと香りとは、どんなものでしょうか?

日本のわさびは、学名「ユートレマ・ジャポニカ」、又は「ワサビア・ジャポニ力」と言います。

日本原産の「わさび」は日本独特の料理、お刺身には、欠かせない薬味です。

このワサビの香りは、和食が、世界的に流行している今でこそ、世界をめぐっていますが、それまでは、ほぼ日本固有のものでした。

ほかのアジア圏でも、ワサビを食べる習慣は無かったようです。

というのは、ワサビのつ~んと鼻に抜ける刺激臭が、お隣の韓国でさえ、馴染みがなかったから無かったようです。

唐辛子の舌への刺激とワサビの鼻に抜ける刺激は別ものです。

アジア圏では、ワサビ特有の変わった刺激に馴染めなかったことなどが、推測できます。

欧米にその後、世界的な健康食嗜好の高まりから和食にスポットがあたり、欧米で特にSUSHIブームが起こり、農林水産省が日本食認証制度までだして、その質の維持に努めることにまで発展していますから、世の中はどのように変化するかわかりません。

来日した外人が「母国よりも安い!」と嬉々として回転寿司をほおばる姿は、見ていてうれしいような、魚を食べつくされてしまうような。

複雑な心境です。

もちろん、寿司はサビ入りです。

この和食ブームにより、ワサビもWASABIとして欧米で広まっています。

しかし、アジアの仲間の国ではどうでしょうか?

ショウガやコショウ・唐辛子・ニンニクなど、アジアではアジア圏特有のスパイスを使った料理がつくられています。

でも和食の普及とワサビについては、まだ欧米ほどのニーズはないようです。

このわさびには、抗酸化作用があるので、加齢臭を抑えるのにもってこいの薬味です。

覚えておくといいですね。

味覚と嗅覚は一体関係です。

味覚と嗅覚が表裏一体のように、食文化の輸出がなければ、まずその国特有の料理に関する香り、においの伝播も無いのではないでしょうか。

醤油・味噌・納豆・日本酒などの発酵食品は日本特有のものです。

ただし、醤油や味噌は、中国や韓国などの北方アジア圏では、少し変わった形を取って展開されていますので、日本特有といえるのは日本酒の香りに絞り込めるでしょう。

ただ醤油については、外国人が「日本の空港に着くと、醤油の香りがする」とよく言うようです。

日本人と醤油は、切っても切れない関係なので、日本酒とともに醤油の香りを日本特有の香りとして考えても良さそうです。

嗜好品では、緑茶が日本特有の香りをかもしだしています。

お茶大国、中国にも緑茶はありますが、日本の多くの茶どころでは、摘んだお茶を蒸すのに対して、中国では、釜煎(かまいり)の方法をとっています。

中国のお茶は、香りを重視した製法で、日本よりも多くの回数浸出させて飲むことができます。

一方で、日本の緑茶は、味を重視した製法で、まろやかでふくよかなお茶の味を楽しめます。

その緑茶を粉末にした抹茶こそは、日本独自のものです。

アイスやクッキーに見られる抹茶フレーバーのお菓子は、日本オリジナルの味です。

また、葉茶や茎茶を妙った、香ばしいお茶・ほうじ茶は日本独自のものです。

またこれに玄米を入れた玄米茶の香りもあわせて日本に特有のお茶、日本固有の香り、ニオイと言えます。

日本固有というだけなら、昆布茶もありますが、あの微妙な香りは、表現が難しいですね。

和菓子などの香りは、日本独自のものです。

また、葉や花を塩漬けにしてお茶や和菓子に使用する、日本を代表とする花、桜も日本ならではの香といえるでしょう。

環境省は、平成13年に日本固有の香りと風景を伝えるために、「かおり風景100選」を全国47都道府県から募集しました。

選ばれた中には、国内シェア70%を誇る静岡県松崎町の桜葉の塩漬けの香りが入っています。

日本の生活の中での香りやニオイと言えば、日本式家屋ならではの茅葺(かやぶき)屋根と畳があります。

今では、数少ない日本の原風景である茅葺屋根のにおいは、干しわらなどのにおいに似ています。

また、あの葺き替えたばかりの青々とした畳のにおいは、若草のすがすがしいにおいがあり、爽やかさを感じます。

しかし、現在は、価格の面で中国産原料に取って代わられているようです。

日本独自の文化遺産が海外からの資材でまかなわれているのは、資源が乏しい国の宿命かもしれません。

畳のにおいは、日本人のルーツではないでしょうか。

世界には、日本では嗅げないにおいがあるのでしょうか?

ホテルに出入り禁止の果物があります。

強烈な刺激臭を持ち、ホテルに出入り禁止を言い渡されている果物があります。

それはドリアンです。

果物の王様とも称されるこの果物は、実際ものすごいにおいです。

その一方で、クリーミイな舌ざわりと濃厚な味わいがあり、日本でも高級果物として販売されています。

原産国とは、気象条件が違うせいか、ホテルににおいが残るくらいの強烈さは、日本では影をひそめています。

ポピュラーでは無いせいか、タイのようにホテルにドリアン出入り禁止マークが貼られている光景は見当たりません。

日本には、各国のレストランが出店し、本場さながらの味を再現しています。

海外に行かなくても、タイのコブミカンの葉やシャンツアイ(香草)などのアジアンハーブを使った現地料理を堪能できます。

しかし、ことドリアンに関して、現地の風味を味わうことは、難しいのかもしれません。

やはり現地におもむき、湿度や温度の高い、肌にまとわりつくような熱帯の空気の中で感じなければ、本当のドリアンの激臭は体感できないのです。

文化や習慣によって受ける衝撃をカルチャーショックと言います。

テレビで世界を疑似体験できる今では、死語ととらえられるかもしれません。

海外旅行に気軽に行けなかった頃は、東南アジアや中近東のスパイスがこの類に入ります。

旅して初めてわかる衝撃的な香りでした。

現在、世界各国の料理店が軒をつらねる日本で手軽に現地の味を追体験できるようになり、その衝撃は、かつてほどの威力はなくなりました。

しかし、ドリアンの例は、温度や湿度条件によって揮発状況が違ってくる「におい」だけは、輸入してもその再現が不可なのだと教えてくれます。

インドのスパイスミックス

インドのミックス、カレーの味を支える鍵、ガラムマサラもしかり。

これは、彼の地では袋に詰められて道ばたに露出され、販売されています。

路上の砂ぼこりや空気中に舞うチリなどが、スパイスの香りに現地の深みを加えている可能性はいなめませんね。

ワシントン条約での規制

また、日本で体験できないにおいの中には、ワシントン条約で輸入が禁止されているものが挙げられます。

それは麝香(じゃこう)です。

今、私たちが嗅いでいる麝香のにおいは、合成ムスクか、ほんの少々飼育されているジャコウジカから採れる麝香か、その他の類似した動物から採れる麝香ということになります。

麝香とは、ロシア・チベット・ネパール・インド・中国などに生息するジャコウジカの腹部から香嚢(こうのう:じゃこう腺)を採りだし乾燥させたものです。

1匹からたった30グラムしかとれない麝香の特徴は、乾燥してアンモニア臭が抜けると、甘く芳しい香りが長く続くこと。

興奮作用や強心作用、男性ホルモン作用といった薬理作用の点から、インド・中国では有史以前から香料や漢方薬としての使用歴があり、アラビアでも12世紀頃から香料として重宝されていました。

日本でも漢方薬として一般に市販されている、誰もが知っているとても身近な薬品に配合されていたのです。

それがこの成分の採取のためにジャコウジカは乱獲され、かつては年間1万~5万頭もいたとされていたものが、ついに絶滅の危機に瀕してしまいました。

そのため、ワシントン条約の附属書Iの取り扱いとなり、この地域のジャコウジカの商業目的の国際取引は原則禁止です。

日本は1980年11月にワシントン条約の締結国になりました。

麝香は、漢方薬として使用していることから、契約当初、ベッコウの原料となるウミガメやタイマイ、薬効のあるジャコウジカなどの9種を留保していました。

その後、段階的に条約を受け入れる体制を整え、1994年7月末のタイマイを最後に、留保を全撤回しています。

現在、香料使用の麝香の甘い香りは、その香料成分ムスコン「(R)-3-メチルシクロペンタデカノン」と構造は違いますが、よく似た香りの合成香料である合成ムスクク「キシレンムスク(1-tert-ブチル-3,5-ジメチル-2,4,6-トリニトロベンゼン)」などが使用されています。

動物由来で似たような香りをだす動物にジャコウネコやジャコウネズミ、ジャコウアゲハが挙げられます。

アマゾンにもあります、貴重なニオイ。

地球の肺と称されるアマゾンに生息するクスノキ科の香木ローズウッドも、同様にワシントン条約で2007年に規制の対象となりました。

年々乱獲のためにその種の保存が危機に陥っています。

原産地であるアマゾン熱帯雨林の約70%が集中しているブラジルでは、近年牧畜・大豆などの換金作物のための焼き畑農業などで、酸素供給源となる森林の伐採が進んだため、現在はその保護に着手しています。

また、アマゾンの豊富な薬用植物が各種薬剤などのもとになるため、この種の保存から輸出規制に取り組んでいます。

ローズウッドは、もともとは、フランス領ギアナ産のローズウッドが有名で、精油用途や楽器・家具などの木材に使用されていました。

しかし、乱獲のため絶滅危倶種になり、1920年以降ギアナ産はほとんど生産されなくなりました。

それに取って替わったのがブラジル産です。

ギアナ産とは多少香りが異なるブラジル産も、現在はギアナ同様となり、絶滅の危機に瀕していることから、ワシントン条約締結国際会議において審議され、この附属書Ⅰの扱いで保護することとなりました。

その他の持ち込み禁止品

ほかには日本の食品衛生法上や検疫で、持ち込みが禁止される動植物、畜産物加工食品などがあります。

農林水産省の管轄の検疫では、タイのマンゴーで基準に応じた消毒処理を施しているものは、個人で持ち込みができるようです。

逆にオーストラリアのマンゴーは、全面禁止です。厚生労働省の管轄の検疫では、鳥インフルエンザやBSE問題が確認された欧米諸国から肉類の加工品が禁じられています。

これらの食品も、やはり現地に行かなければわからないにおいに入ります。

このほかに外来生物法で、国内の種の保存を脅かすような動植物も持ち込み禁止です。

トマトなども一部持ち込み禁止です。

外来生物法で危機的状況になるのがトマトです。

ハウス栽培のトマトの受粉に使われていた西洋オオマルハナバチが、2005年にこの外来種規制の対象となりました。

虫媒花であるトマトがハチを使うことで、ハウス栽培でも自然の形で受粉できるのは大きなメリットでした。

それまでの水っぽいと悪評だったホルモン受粉(自家受粉)のトマトよりも、昔ながらの酸味や甘みが濃いトマトの味に近いということで、順調にマルハナバチトマトは市場を伸ばしていたのです。

しかし、この規制は使っていたトマト農家にショックを与えました。

これを受けて現在では、在来マルハナバチ種への切り替えや、虫媒風媒を必要としない単交配種の採用なども行われています。

これにより、近い将来にトマトの風味がまた変わることがあるかもしれません。

>>オヤジ達のいやなにおい、「加齢臭」の記事はこちら。

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