長時間、同じにおいを嗅いでいるとにおいに慣れてしまうのはなぜでしょうか?

人は、嫌なにおいでもだんだんと慣れてきます。

ペットを飼っている家には、動物の特有のにおいが充満しています。

ところがそこの住人は、すっかりそのにおいに慣れてしまい、動物のにおいがあることがわからなくなってきます。

来客があったときに指摘されて、初めて家にペットのにおいが漂っていることに気づきます。

これは、鼻がペットのにおいに慣れてしまっているから起こります。

鼻がにおいに慣れることに加えて、嗅覚が疲れるということもあります。

仏壇などにあげる線香の香りの1つでもある麝香ですが、高級ブランドの香水にも使われている香りです。

このにおいの濃度を20分の1にまで薄めると、ヒトの鼻は約40秒で感じなくなります。

では、濃いにおいに対しての反応はどうでしょう?

実は、濃度を10分の1にまで高めた場合、今度は約20秒とより早くにおいを感じなくなります。

これは、においを感じる鼻の嗅細胞が強いにおいに疲れるためです。

より強いにおいの方が、細胞の疲れは速くなります。

ペットのニオイを感じないのは、この細胞の疲れが慢性的に起こっていることが考えられます。

嗅覚は、ほかの感覚よりも疲れやすいようです。

しかし、このにおいには慣れて疲れてしまった鼻も、別のニオイになると普通に応答することができます。

つまり、よそのペットのにおいはわかるのです。

これは、においよってにおいのレセプターが違うということから考えられる現象で、選択的疲労といいます。

においのプロは、これを利用して鼻の感覚を復活させています。

においのプロの嗅覚はすごいんです。

1日にたくさんのにおいを嗅ぐのが仕事の香水の調香師などは、においに鼻が疲れてきたときに、自分の服のにおいを臭いで疲れた鼻の機能を元の状態に戻します。

動物実験では、嗅覚疲労を起こした犬には、無臭空気で鼻を洗浄します。

そうすると、においに対する鼻の機能が復活して、実験を続けることができます。

人や犬の嗅細胞は鼻の上の部分に集中してあります。

人の場合は、切手大の面積の中に約500万個存在します。

この嗅細胞とは、においの受容器で、先端に数本の嗅繊毛を持つ樹状突起を鼻腔の嗅粘莫内に出して、空気とともに入ってきたにおいと接触します。

この嗅細胞は、樹状突起を出しているのとは反対側、脳に向かって軸索を延ばし、そのまま大脳の一部である嗅球という部位の糸球体まで達します。

目や耳などのほかの感覚受容体と違い、脳までのシナプス(神経細胞間の情報伝達部位)を持たず、細胞体そのものが軸索をのばして走行しているのが、この嗅細胞の最大の特徴です。

このような細胞を利用したにおいが認識されるメカニズムは、次のようになります。

①におい物質が空気とともに鼻腔内に入る。

②においをもつ物質を構成するにおい分子が、粘液に溶けている。

③嗅細胞の嗅繊毛に、②のにおい分子がくっつく。

④嗅細胞が興奮を起こす。

⑤④の興奮がにおい情報(電気信号)となって嗅神経を通り嗅球の糸球体に達し、さらに僧帽細胞と呼ばれる神経細胞に伝わる。

⑥嗅球で統合された情報は、さらに上位の大脳の肩桃核、視床下部を経て、嗅覚野へと伝わり、においの識別がなされる。

⑦さらに大脳の連合野や言語野にも伝えられるなど、最終的にはにおいによって惹起される情動・記憶などを形成する。

これらのにおいを感じる基本的なメカニズムは、多くの動物でほとんど同じだそうです。

においは揮発性の化学物質の一種です。

においは、大気中を漂っている揮発性の化学物質です。

そのにおいとは、いったいどのような物質なのでしょうか?

有機物の主成分は、炭素の六角構造からなり、これらがさまざまなにおいを発します。

無機物はほとんど無臭ですが、例外としてフッ素、塩素、ヨウ素、臭素、ハロゲン、硫黄にはにおいがあります。

オゾンや硫化水素、酸化窒素などは鼻を刺すような刺激臭があり、そのにおいにより危険が察知できます。

においは、未知の部分がひじょうに多いのです。

先に挙げたにおい物質は、10~40万種類と言われ、無数に存在し、その上、一つの物質に含まれる成分のうち、最も多いものがにおいの元かどうかも、なかなか特定できないのです。

ただ、においの本質を決定するのは、におい物質の分子を構成する元素や分子量、及び分子構造にあると考えられています。

においと分子構造の関係に規則性を見い出すには至っていませんが、「炭素数8~13の分子構造をもつにおい物質は、香気が強い」、「硫黄や窒素を含むにおい物質があると、においが強くなる」という多少の規則性はあります。

ただし濃度の問題で変化する場合もあるなど、いおいという化学物質は、まだまだ未知の分野が多いのです。

生臭く特徴的な刺激臭を持つものに、「オゾン」があります。

腐った卵のような強烈な腐敗臭をもつ「硫化水素」、どちらも人に害を与える物質です。

これらの刺激臭は、においの強度で危険を教えてくれているのかもしれません。

ほかに危険な香りとして、アーモンド臭に似ているとされる「シアン臭」も挙げられます。

ヒトが永遠に慣れることができない、人間にとって危険な物質は、自ずから嫌なにおいを発しているのかもしれません。

加齢臭を根本から洗い落とすボディソープ「DEORA」登場です。

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