においと天気、嗅覚と湿度の関係はどうなっているのでしょうか?

シルクロードで有名な中国のウイグル地方など、水が無い砂漠地方では、乾燥しているために、お風呂に入らずとも体臭が気にならないといいます。

都市伝説のような話ですが、あながち嘘ではないと思われます。それは、香りの性質によると考えられています。

揮発性と粘着性という2大性質から、湿度、温度との関係を考えてみました。

臭いと揮発性の関係一般的に、香水でもトップ・ノートとして使われるオレンジ系の香料はアルコールなど、揮発性の強い香り成分の代表選手は、すぐに空気に分散し、消えていきます。

一方で、同じ温度や湿度条件下でも、粘着性の強い代表選手ラスト・ノートとしてよく配合されるウッディ系の香りは、長く留まります。

また、温度が高いほど、臭いの空気中への発散が高まり、低いほど弱まります。

切り花を買ってきて、においが薄いと思った時、手で花を温めてにおいを嘆ぐと、ふわっと香りが漂ってきます。この現象と同じです。

温度が高まると、香りは揮発するのです。

湿度については、湿度が高いほど香りはまとわりつくように残り、乾燥しているほどすぐに気化していきます。

梅雨の時季の日本では、湿度が高く温度も年間平均よりも高い場合が多いので、香水をつけたときに、冬よりも香りは長く残りやすいということです。

この時期に香水をつける時には、香り過ぎないように注意が必要です。

人の体臭と温度、湿度の関係

人の体臭と温度、湿度の関係は、どうなっているのでしょうか。人の体表では、活発に汗による体温調節が行われています。

水が蒸気に変わるときには、大量の熱が加わります。

水1グラムの温度を1℃上げるには、1カロリーの熱量が必要です。

水1グラムを0ccから100ccに上げるには、100カロリーが必要になります。

しかし、100℃の水1グラムを同じ温度の水蒸気に変えるには、500カロリー以上の熱が必要なのです。

約5倍以上の熱量が、水蒸気化に費やされます。汗に戻りますと、体表から水分が汗として染み出て、蒸発する時にこれに相当する熱量が放出されることになります。

体温は、暑い時にはこうして体内にこもる熱を放出することで、下げて維持されているのです。

ミツバチの例を取ると、ハチたちは、巣穴の中で通で風を送りながら巣を冷やします。

巣穴の温度が20℃台後半に達すると、送風だけでは冷やしきれず、今度は水を外に汲みに行きます。

帰巣したハチたちは、水を巣に吐きだして、薄い水の膜や水滴を作った後に通で風を送り、気化させることで巣を冷やしているのです。

よく見かける、猫やネズミ類が体をなめている光景は、毛づくろいだけではなく、この蒸発作用をうまく利用して、唾液が蒸発する効果で体温を調節するためのものです。

ただ、犬には、こうした器官がないため、短く呼吸をしてのどから蒸発させて熱を発散する方法を取っています。

砂漠は、暑いので汗を大量にかきます。人の場合はどうでしょう?

汗をかかなくても人は、1平方センチアたり1時間で5ミリグラムほどの水が蒸発しています。

季節によりますが、人間は、平均して日1Lの汗をかいて体温を調節しています。

外の気温の状態に応じて、汗をかくことで急激に体を冷却するしくみには、大事なポイントが一つあります。

それが湿度です。

湿度が高くて、汗が皮層表面につく速度よりも早く蒸発できず、皮層を流れ落ちてしまうと気化熱によるこの冷却作用ができなくなるからです。

サハラ砂漠のような体温よりも温度が高い、熱波の厳しいところでは、人は座っているだけで1日に約8Lの水分が蒸発していきます。

運動した状態だと、1日に約16Lの水分を失います。常に水分補給をしていかないと、脱水症状で干上がってしまいます。

約4Lの水を失うだけで、疲労と発熱に至ります。約8Lを失うと、意識がもうろうとして呼吸困難が始まります。

約11Lになると、応急処置が無いとひじように危険な状態になります。

こんな状況なのになぜ、人はサハラ砂漠のような場所でも生きていけるのかというと、段階を踏んで暑さに体を慣れさせていくことで、多量の発汗をしても生きていけるように、体を高温乾燥状態に馴染ませることができるからです。

この適応によって、人の汗の状態も塩分の浸出が抑えられて、カリウムと共に体に残り、恒常性の維持が可能になるのです。

このような理由でサハラ砂漠という環境下でも、人が生きていける事ができるのです。

人の体臭の原因となる微生物の影響

高温低湿度の砂漠で生きていくように機能している人の汗は、大量にかいても塩分濃度が低く、すぐに気化してしまうため、体表で微生物がさまざまな活動を行えるほどの水分を皮層上に残さないのです。

ワキなどのアポクリン腺や皮脂腺から染み出た分泌物も、乾燥状態で死滅寸前の微生物に分解されることなく、乾燥して垢とともに体から抜け落ちていきます。

体臭の原因となる微生物による腐敗や酸化が起こらず、その上、汗もすぐに気化してしまうので、無臭とはなっていませんが、体臭はそれほどきつくなる要因がない状態です。

また鼻の粘膜も乾燥状態だと、においヘの反応が鈍くなります。

環境条件によって、人の体質変化と皮層表面などの状況変化が起こり、その上、鼻の状況も変化し、これにより乾燥地帯ではお風呂に入らなくても、熱帯地方ほどにおいがきつくならず、気にならなくなるのです。

砂漠地方での体臭に対する対応

しかし、砂漠地方では、人の体臭がまったく気にならないということはないようです。

なぜなら、アラビアでは、9世紀ごろには、香りを楽しむためのバラ水がありました。

また10世紀には、精油の蒸留方法をイブン・シータが発明しました。

十字軍の遠征とともにヨーロッパへと伝えられ、現在のアロマオイルの原型となっています。

香水の希釈となるアルコールも、アラビアの発明です。

また、日本の香道と同様に、香料である沈香や乳香を火にくくて、その香りや、時にはその煙の香りまで楽しんでいます。

香りが飛びやすい高温乾燥地帯だからこそ、長く続く香りに執着し、数々の発明品が登場
したのでしょう。

>>体臭や加齢臭の詳しい記事はこちら

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